ドラマーグローブの是非
ドラムを叩く際に、その衝撃に一番さらされるのは「手」です。ヒット自体はスティックなのですが、そのスティックから手に大きな衝撃が伝わるのです。その衝撃によって、スティックを持つ手に衝撃が伝わるのです。
その結果、手にはさまざまな影響が現れることになります。もっとも顕著な影響は手に「マメ」ができることです。手にできるマメは痛みを伴うもので、そのまま放置してドラムをたたき続けると症状は悪化します。マメが潰れた状態でさらに手を酷使すると、肉がむき出しになり血が流れるなどの症状にまで発展します。それは「傷」ですから、そのあとに適切な処置をしないと手が化膿するなどして症状が長引いてしまうことにもなります。
この手の「マメ」ができてしまうことについての是非の議論もあります。手にマメができるのはいけないことで、フォームを見直すべきであるとか、そうではなく手にマメができるのは物理的に仕方がないことであるという意見もあります。ドラムを「叩く」という行為自体がその一打ごとに手にただならぬ衝撃を与えていることは事実です。腕の振り、そしてスティックの重さが重力に助長された「ヒット」は、想像以上の衝撃を生み出しています。それは固いスティックから手に伝わる衝撃も相当なものです。ですから、その衝撃をうまく逃してやるようなスティックの「持ち方」というものも考えなくてはいけません。手に衝撃が伝わるということはスティックを手が固く持ちすぎているのかもしれません。
それでも、速いビートや大きな音を出して叩く必要があるのであれば、あまりスティックを柔らかく持ちすぎることも疑問が生じます。そのヒットの反動でスティックが手から飛び出てしまう可能性が高くなるからです。ヒット際の衝撃というのはアタックの反作用としてヘッドからスティックを跳ね返すチカラにもなります。そのような場合にはそのスティックが外に飛び出そうとするチカラこそが、手に伝わる衝撃ということになるでしょう。
それを解決する可能性があるのがドラマーズグローブです。手に手袋をつけるというものです。これはただの手袋ではなく、手に伝わる衝撃を和らげたり、且つスティックが滑らないようにグリップを良くしたりするものです。これはドラムのメーカーが出しているものを使用するのが結果としては一番よく、人によっては「手が痛い」、「スティックをよく落とす」という悩みを解決してくれるものでもあります。
このようなドラマーグローブをつけることが適しているドラマーのタイプとしては、重いスティックを使っているという人、パワーヒッターであるという人、さらには速いビートを叩くことが多いという人です。そして手にマメが出来てしょうがないという人、さらにはスティックをよく落とすという人も推奨できます。人によってはそのグローブさえも穴が開くほどの衝撃を手に受けているということもあるでしょう。そのような人にとってこのようなドラマーズグローブは必需品ともいえるものになることでしょう。
まずはフォームがどうこうではなく、自分が出したい音はなんなのかということを考えることが先です。その音を実現するために、どうしても手に衝撃が伝わってしまうのであれば、このようなアイテムでそれを軽減することは大切なことなのではないでしょうか。