ライブハウスで思い通りにセッティングするには

音楽を人に聴いてもらおうと考えた際、その手段はいくつか存在します。録音して聴いてもらおうというもの、生の演奏を聴いてもらおうとするもの、さまざまな方法が存在するでしょう。

その方法のひとつ、「演奏して聴いてもらう」ということは簡単なようでいて難しいもので、演奏するための「場所」が必ず必要です。「音を出す」ということは自由なようでいて制限があるものです。誰もがその音楽を聴きたいわけではないということ、だれもがその音楽に対して好意的に受け取ってくれるわけではないということ、自分が心地よくても、人が「不快だ」と感じることもあるということです。そのようなことを考えると、音を出すためには「音を出せる場所」を用意する必要があるのです。

「音を出せる場所」は、すでに知っているかもしれません。特にドラム奏者であればその場所でしか音を出せない、練習はそこでしかできないということもあるのではないでしょうか。それは「スタジオ」です。スタジオで音を出して練習するということは、音楽の演奏に携わる人であれば一般的なことでしょう。音楽が好きであり、音楽を演奏することに対して時間を使う人であれば、スタジオの利用は一般的なこととして捉えています。

そうやって練習したあと、その先にあるものは人によって違いますが、そこにあるのは「ライブ」なのではないでしょうか。「人に聴いてもらうために演奏する」するということに対して「価値」を感じる人、「たくさんの人に聴いてもらう」ということが「意味」だと考えている人も多いのではないでしょうか。その「演奏」の場として一般的なのが「ライブハウス」です。

ライブハウスで演奏することは、音楽に関わる人にとって「ひとつのイベント」でもあります。音楽との接し方は人それぞれであり、「録音」することがメインであると考えているのであれば、それだけが「表現の方法」ではないのですが、誰か人がいる場所で演奏すること自体は大切なことで、その演奏によって新たな感動を人に与えたり、「こういう音楽も良い」という気付きを与えたりすることができることでしょう。

そのライブハウスのステージは「演奏者」にとっては「共有すべき場」であり、自分だけが関わる場所ではないのです。さまざまな人がその場に立っているということ、さまざまな人がその場で演奏した、またこれからも演奏するのだということを理解する必要があります。

そこにある機材はたくさんの人が使うものであり、そこにある機材はたくさんの人がたくさんの人に演奏を聴かせるために使用するものです。そこで「自分の思うようなセッティング」を行うためには、すこしコツがあります。

特にドラムはセッティングで音や演奏が大きく左右されます。そのドラムのセッティングを自分好みのものにするためには、「どのようなセッティングが自分にぴったりなのか」と いうことを理解しておくことが必要です。そして「どのような機材でもそれを再現できる」ということも大切です。ドラムのパーツはシンプルなものです。そのドラム群、シンバル群を支えるスタンドも多少の違いはあっても基本は同じです。それらの機材をどれだけ理解するのかということで、その場でのセッティングの成否が変わります。決して、ライブハウスのスタッフが自分のセッティングを再現してくれるわけではないということです。